「欲しいものはあんまり無い。だって欲しいと思わないんだもん」
娘のこの言葉を飲み込めなかった。
服、おもちゃは全て貰い物。
お菓子と言った食べ物までいただく事が多く、買い物に連れて行く機会がなかった。
だからなのか、ウインドーショッピングはしなくていい。
本を読んでいたいと言う。
鞄には本とメガネが常に入っていた。
おしゃべりが得意ではない彼女は大きくなると、その思いを語り始めた。
物を管理する時間は無駄遣い
いらない、いらない、欲しくない。
誕生日、クリスマス、七五三、あらゆる行事のプレゼントを断り続ける小学生。
欲しい物は、本と文房具。
だけど本は図書館で借りるし、鉛筆を何本も持っていても使い切れない言う。
彼女の考えの根幹は
- 在庫管理に人生の時間を割くのは勿体ないし面倒
- 掃除するにも物が多いと大変だ
- どんな物を持ってたか記憶するのが大変
- それに、色々持ってると迷う
探し物をしている時間は無駄でしかない
当時彼女を、理解できなかった。
だからと言ってほしく無い物をプレゼントするほど家に余裕はなく、結局は本になっていた。
「サンタさんに何のプレゼントを頼むのか教えて」
と言っても全然喜ばなかったことが予兆だと気付けばよかったのだが、高校生になった頃くらいから彼女の中で欲しい物と必要なものが明確に分けられていた。
そして、必要な物にはお金をいくらかけても構わないと言う持論の持ち主だとも分かった。
例えば服、部屋着は学校のジャージで十分だけど通学に使うコートは7万円くらいのじゃないと暖かくないから困る。
パソコンは初心者だけど、絵を描くには最新スペックの30万クラス機種を手に入れるのは当然など。
自分が欲しいと思う欲をコントロールできるのは良いことなのだが、必要な物に関しての妥協点がない。
これは、本当に困った。
未来への自己投資ならなんでもいくらでも必要な部類に入ってしまうからだ。
必要な物以外を買う必要
論理的に間違っていない。
むしろ、お金の使い方として実に理想的だ。
だが、同じような服をセールにかまけて何枚も買ってしまう私が娘にお金の教育をしたのだ。
分相応な使い方と、必要でなくても人の気持ちを汲み取とった上で使うお金の使い方もあると。
学生らしさとは?から始まり、品の有るお金の使い方まで学ばせた。
また、祖父母が孫の喜ぶ顔見たさに不必要なプレゼントを買う喜びを与えてあげるのも孫の務めで、それも立派なお金の使い道と説いた。
この内容を娘は理解して、ちゃんと実行しようとしたが難しい。
「いらない物はちゃんとわかるんだけど欲しい物が出てこないの。おかあさんは何が欲しい?」
の質問に
「若さ、スキル、才能」
と、とっさに売ってないばかりを上げつらねてしまい、教育の難しさを知った。
娘の理解[買わなければお金は貯まる]
お金を貯めるには、不必要な物は買わなければ良いと理解した娘。
一方息子は、欲しい物を選択する事と理解した。
実行には信念と情熱と知恵が必要と理解した。
私は幼少期貧乏で、ただただ我慢と節約しか頭に無かった人生だが [お金と生き方] について子供達に教えてもらった。
それは少なくとも、お金が無い状態では学べなかったし有り余る状態でも同じだったと思う。
希望は、お金を楽しんで貯め豊に使う。
自分とみんなのために。
まとめ
- 何も欲しくないと何も必要じゃ無いは違う。(物とお金の関係)
- 欲しい物は買わないが必要な物は高くても、買う。
- お金の価値と生き方は自分で学ばねばならない。
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