離婚しない人を選ぶには

子育て

夏休み明け、近所の小学生から質問された。

「親が離婚した。離婚しない相手を選ぶにはどうすればいいの?」

10歳の子供が本気でぶつけてきた問いに、たじろいだ。

心のコントロール

答えになっていない答えを、言うしか方法がなかった。

「人ができることは、自分の心に鍵をかけて、気持ちをコントロールしながら生きること」

そう教えた。

そう言ってみたが、実のところ私が教えて欲しいくらいだった。

不誠実はこの世にゴロゴロ転がっている事を知らない子供達に「それは無理な話」とは

言えない。

縛りや重しからしばし解き放されると、人は自主規制を忘れる。魔が指すとでも言うのか、

名目上とか体裁とか主従関係などが無くなった途端何をしても良いかのように

行動する。だから、規則や法といった罰則が必要なんだと思う。

ただ行動と違って、心のルールを決めるのは自分。

そして、罰則はない。

欲望に負け、他者の心を傷つける行動にブレーキをかけられるのは

信念 だけなんじゃないだろうか。

大人の事

大人の考えがわからないと言う。

子供からの信用を失った事を両親は知らない。

この時私は、彼女に

「自分の気持ちは誰だって大事だよ。それは子供がいても」

と言いたかった。

家族ってなんだろう、大切な人って誰のこと?などと言った疑問で頭がいっぱいだったように見

えたからだ。

つい最近まで離婚や不倫は一個人の自分勝手な事情で、傷つく子供の事を考えれば愚かなことと分かる

筈と考えていた。

しかし歳をとり「この世の人生で人を愛する事があり成就するならばそれは素晴らしい

ことではないか」といった考えに変わった。

ただ、それは離婚を推奨したり肯定するのとは違う。

喧嘩が絶えず怨みを募らせるよりは、ましと言うだけ。

大人は子供より、断然死に近い。

きっと、過ぎ去った時間が自分を優先させてしまうに違いない。

子供のこと

彼女はとても利発だった。

「でもね、お父さんがお母さんと離婚するのも分かるの。お兄ちゃんとお父さん、私の3人で楽しく野球

の話をしていたら急に、話しの前置きもなく割り込んで、自分のしたい話しをしてくるの。

聞いてあげなかったら物凄く怒るんだもん。」

観察力に優れ、コミニケーションとは何かを理解している彼女の話を聞いていた。

母親のような愚かな大人の女性にはならないと言う視点は、とてつも無く厳しく

身につまされた。

その後彼女は、親の事を一切口にぜず気持ちを晴らすように友達と遊んだ。

前にも増して、クラスメイトを大切にするようになったのは気のせいではないだろう。

家族

幼い頃、家族の形の違いに驚いた。

アニメやドラマで出てくる家族以上に色々な家族がいて、自分の家族はどうしてこうなんだろうと悩ん

だ。けれど、理想の家族は自分でも作る事ができなかった。

相手が他人であるとはそう言う事であると理解した。

家族だから助け合うのは当然だとか、認め合い尊重できるなんて思わない方がいい。

家族という名の修行だ。

個性を活かしチームワークで地域との関わりや親戚とのお付き合いを乗りっきたり、

行事や子育てなどの家庭生活を遂行する。

それが、家族だと彼女に伝えておくべき内容だった。

もう、二十歳を過ぎた彼女が大好きな人との未来を夢見ていることを

願っている。

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