子供は、環境によって大きく変わる。
何をいつどのように、どれだけ与えるかによって違ってくる。
娘を変えたのは、夢の国に入り込んだ「感動」だった。
世界で一番
田舎での生活、近所の遊園地しか知らない娘。
他の時間を読書とお絵描きだけで過ごしていた。
度々家族で訪れては、こう質問した。
母:「ここの遊園地は世界で一番だと思う?」
娘:「うん、ここの遊園地が世界で一番楽しい」
近所の遊園地の名前を言う娘。
母:「絶対?」
娘:「うん、絶対」
小学校2年生での会話だ。
絶叫系の乗り物が大のお気に入りで、自分を幸せにしてくれる素晴らしい場所だと自信満々の笑みで答えた。
この質問をわざと何回も繰り返し、何度も答えさせた。
記憶に残るように。
全てを計画して
この年の2月。
朝早く、暗いうちから家を出た私達は空港へ向かった。
「友達が空港に着くから迎えに行こう」
大荷物を持ってそう言う母に、眠たさが疑問を抱かせなかった。
空港で友達は来ない
「家族でこれから東京に遊びに行くから、飛行機に乗るよ」
と言うと、子供たちは何のことだかわからないまま、ただ私の後をついて来た。
突然の家族旅行に事態を飲み込めていない事は顔色からわかった。
これも与える情報の操作で、計画の一部だった。
その日、向かったのは東京ディズニーランド。
この時の娘は、ディズニーランドの存在を知らない。
家にはディズニー グッズを置かない様にし、TVからの情報を遮断した。
田舎ではTDLに行く人も少なく、それより娘には色々な情報を聞ける友達がいなかった。
感動と衝撃は倍増した
羽田からディズニーランド直行のバスには乗らず、電車を乗り継ぎながら行った。
バスには多くの情報が詰まっていて、予測をつけられないようにした。
なので舞浜駅に降りた時、彼女は初めて異変に気が付いた。
「ここは、何?」
「ミッキーマウスとミニーが住んでいる所だよ」
ミッキーマウスとミニーが何者なのかも知らない娘。
その後質問はせず、ずっとスキップをしていた。
黙り込んで辺りをキョロキョロ見回すだけの娘。
あの時は、感動しすぎて何も言えなかったと後で聞いた。
そして
与える情報のコントロールで得た衝撃と感動は、娘の進路を変えた。
ファーストコンタクトを大切にする
園の中で質問をした。
母:「どこの遊園地が世界で一番楽しい?」
娘:「東京ディズニーランド」
母:「本当に?この前は違ってたよね」
娘:「うん違ってた。ここが一番」
彼女はこの日を境に、本で楽しむ空想の世界から現実の体感と体験の世界へ出て来た。
ディズニーランド が自分に与える影響は本を読んで得る内観よりずっと大きいと知ったのだ。
娘は、もし東京ディズニーランドの存在を先に知っていたら、これだけ感動はし無かったと思うし
自分は変わっていたかどうかわからないと言う。
そして彼女はこの感動が忘れられず、付属大学へ進学せず一人アメリカへ渡った。
まとめ
- 子供の価値観を確認し、言ったことを覚えさせる。
- 与えたい情報は、いっぺんに。
- 親が知る世界を楽しんで子供に伝える。
コメント